世帯年収1500万の共働きで1億のタワマンを購入する注意点

2019年10月1日

特に最近は結婚後もフルタイムで働き続ける女性が増えてますので、夫婦二人の収入を合わせれば30代でも1000万~1500万の世帯年収となる人が増えています。

そうなると、憧れの都心駅近タワーマンション。夫婦の片方の収入だけでは手がとどかないものの、ペアローンにすれば可能というケースが増えてきているのです。

夫婦が二人ともフルタイムで働いているので、夫婦両方の職場に近いということは、メリットも2倍ということです。

都心の駅近、職場までドアtoドアで10分とか20分で行けるようなロケーションは、働き盛りの30代共働き夫婦にとっては特に魅力的です。

そして、その物件を購入するにあたり、銀行が住宅ローンの融資をしてくれるという状況にあれば、欲しいと思うのが人情です。

しかし、融資してもらえるとはいっても、東京都心部だと中古でも1億を超える価格帯が中心的になります。

審査に通るとはいえ、これを買っていいのか?

不安になるのが当然ですよね。今日はそんなご相談者です。

共働き夫婦1億のタワマンを買う

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相談:29歳世帯年収1500万共働きDINKSで8500万の借入は大丈夫?

家族の年齢と年収夫29歳、年収600〜650万(月収35万)
妻29歳、年収900〜950万(月収50〜60万)
ともに一部上場企業勤務で定年は60歳、65歳まで再雇用有り。子供は今後も無しです。
自己資金の額夫700万、妻1500万で合計2200万。
そのうち、1500万程度は頭金で拠出できると考えています。
物件価格9380万円
物件のタイプ都心中古タワマン(築13年)66㎡:2LDK
借入予定額8500万円
住宅ローン未定
相談内容上記借り入れは適正でしょうか?
職住近接を叶えるため(オフィスまで現在ドアtoドア40分⇒15分)、またマンション自体の利便性や立地環境により、以前から気になっていたマンションですが、身の丈に合わない気がして眺めるだけでした。
しかしこの4月に妻が昇給したこともあり、もしかして手が届くのではないかという思いも少しあり、お願いした次第です。

大企業とはいえ無いとは言えないリストラや倒産リスクは、その時には売却できればと考えております。転勤の際は単身赴任で夫婦間合意しております。

回答①:無理なく返済できる金額か?を知る4つのルール

無理なく返済できる金額か?については、私の著書の家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本でご紹介している、4つのルールに沿って解説します。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 定年時のローン残高は1000万以下

これを具体的に当てはめて、年収と年齢で表にすると以下のようになります。

(単位:万円)

年収 月収 25歳 30歳
400 20 2663 2663
600 25 3329 3339
700 30 3995 3995
900 35 4661 4661
1000 40 5327 5327
1200 50 8325 7996
1500 60 9989 9509
2000 80 13320 12449

夫婦合計年収で1500万のところは9509万円ですから、8500万円の借入はレンジ内にあるとも言えます。ただし夫婦それぞれを単独で見ると以下のようになりますね。

  • 夫は30歳で600万のところ3339万円
  • 妻は30歳で900万のところ4661万円

どちらかの収入がなくなると、レンジを大幅に超える金額になるということですね。

変動VS固定 資金繰り面のシミュレーション

住宅ローンで最も重要なの判断要素は資金繰り=返済を継続できるか?です。毎月の支払いを継続出来ている限りは、誰にも邪魔されずにその家に住むことが出来ます。

毎月返済というハードルを420回(35年の場合)ノーミスでクリアできる金額に調節することが住宅ローン検討の大半を占めます。前述の4つのルールは、この資金繰りに関するルールなのです。

まずは資金繰り面でこの住宅ローン金額で大丈夫なのか?変動金利、固定金利でそれぞれ確認してみました。

  • 変動金利:業界最安の住信SBIネット銀行で三井住友信託銀行の口座を作ると変動金利は0.448%になる。金利上乗せなしで団信に全疾病保障が付く。
  • 固定金利:フラット35「S」で当初5年は0.25%引き下げになる。5月金利だと当初5年1.04%、6年目から1.29%。金利に込みで身体障害保障団信が付く。

(単位:円)

物件9380万
借入8500万
住信SBIネット銀行変動0.448% フラット35S1.04%1.29% 差額
毎月返済 218,700 241,530 -22,830
6年目~毎月返済 218,700 250,231 -31,531
60歳残高 10,402,167 11,700,371 -1,298,204
住宅ローン控除 4,000,000 4,000,000 0

フラット35の融資額の上限は8000万円なので、現実には8500万円借りることは出来ませんが、比較の便宜のため8500万円としています。

また、中古住宅の住宅ローン控除の上限は20万円ですが、夫婦それぞれで住宅ローン控除を受けるので40万円としており、10年で400万円となります。

毎月の返済額は夫の月収に近いですね。夫婦2人なら問題なく継続できますが、どちらか一人が欠けても継続は困難だということに変わりは無いですね。

なお、変動金利の場合は金利上昇に耐えられるかの判定として、2つの「四」をクリアすることをお勧めしています。

  1. 毎月返済額の4分の1を貯蓄する。
  2. その貯蓄額と毎月返済額の合計が手取り月収の4割以下とする。

詳しくはこちらをどうぞ。

変動金利の2つの「四」も夫婦2人ならばクリアできていますね。これをクリアしていれば、借りた直後に金利がどんなに上がっても10年は住宅ローンを維持できるということです。

ただし、さらに上がった場合は維持できなくなる可能性があるので、この結果だけをもって変動でも大丈夫という保証にはなりません。

変動VS固定 総支払額の比較シミュレーション

借入費用については、金利タイプではなく金融機関によって違うものなので、割愛し、総支払額の比較を行います。

(単位:円)

物件9380万
借入8500万
住信SBIネット銀行変動0.448% フラット35S1.04%1.29% 差額
借入費用 2,041,000 1,123,000 918,000
60歳まで返済額 81,356,400 92,563,872 -11,207,472
60歳残高 10,402,167 11,700,371 -1,298,204
住宅ローン控除 -4,000,000 -4,000,000 0
合計 89,799,567 101,387,243 -11,587,676

総支払額で変動金利の方が1158万円も少ない金額で完済できるのですね。ただし変動金利は金利の変動リスクを負うことになるので、そのリスクと引き換えになっていることを忘れてはいけません。

8500万円の住宅ローンの金利変動リスクはいくらか?

利息=元本×金利という計算になります。なので「金利の変動リスク」は元本に比例して大きくなります。

では8500万円を借りる場合の金利変動リスクの大きさはいかほどなのか?千日のご相談者には以下のような表でその規模感を感じてもらっています。

(単位:万円)

8500万借入から金利上昇したら繰上返済すべき金額(万円)
残期間 30年 25年 20年 15年
残高 7,386 6,230 5,045 3,831
0.5%→1.0% 516 366 240 140
0.5%→1.5% 982 705 467 272
0.5%→2.0% 1,407 1,016 678 397
0.5%→2.5% 1,793 1,303 876 518
0.5%→3.0% 2,144 1,570 1,062 631
0.5%→3.5% 2,465 1,815 1,235 740
0.5%→4.0% 2,758 2,044 1,400 844

この表の見方を、左上の7,386万円とその下の516万円は何を意味するか?ということで解説します。

5年後=残期間30年で、住宅ローン残高は7,386万円になっています。 このときに例えば金利が0.5%→1.0%に上がったら、その時点で516万円を繰上げ返済します。

金利が上がっていても、元本が減っていますので、その後も変わらずの毎月返済額で予定通りに完済出来るということです。

この表は、実際にこれだけ金利が上がるという予想ではなく、金利が上がったときに幾ら繰上げ返済が必要かという目安、金額の規模感を把握するための表です。

変動金利の場合は上記のリスクを常に負いながらの返済を420回続けるということを意識しておく必要があるのですね。

私がよくブログでおススメしているSBIマネープラザでは、変動金利の最安の住信SBIネット銀行と35年固定金利の最安金利のARUHIスーパーフラット8Sの両方を取り扱っています。

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コンサルの質の高さに定評あり


また、住宅ローンを決めるにあたっては、住宅ローンのリスクを知るだけでは片手落ちです。共働き夫婦に特有のリスクについても把握しておかなければなりません。

回答②:共働き夫婦に特有のリスクと対処法を知る

共働き夫婦の住宅ローンは以下の2条件を前提として初めて成立するという特徴があります。

  1. 夫婦が離婚しない。
  2. 夫婦の収入が両方とも維持されている。

ですから、結婚が維持されていることは当然ですが、例えば4月に昇給したばかりの妻が妊娠し休職するなどして収入が途切れると、その間は貯金を取り崩しながらの住宅ローンになるということです。

また、夫婦それぞれに収入があるということは、病気やリストラ、倒産などによって世帯収入がゼロになってしまう可能性は半減する一方で、片方が病気やリストラ、倒産になるリスクは夫婦それぞれに潜在しています。

つまり、共働き夫婦の場合は、世帯収入が半減する可能性は2倍あるということです。

もちろん、収入がゼロになるよりはマシですけど、収入が半減してしまうと、いずれにせよこの住まい=職住近接生活を維持することは難しくなるのですね。

つまり、夫婦共働きを条件として組む住宅ローンについては、途中から維持できなくなるというケースを想定内のこととして考えておくべきなのです。

住宅ローンを継続できなくなる「可能性」を想定しておくべきというのは、一般論として存在しますが、今回のような共働き夫婦の住宅ローンについては、さらにそこから一歩進んで「予定」に近い感じで捉えておくということこです。

いつでも売却してローンを完済可能なのかを重要視すべし

特に30代からのキャリアというのは、現時点で「多分こうなっていくんだろうな」と予想しているとおり行くことは、まずありません。

わたしは「思い通りにいかない」ということを必ずしも悲観的に捉えていません。思っていたのとゼンゼン違うところから自分の人生が動き始めることもあると思っています。

「転勤の場合は単身赴任で夫婦間合意」とのことですが、自分たちの人生やキャリアよりもマンションの方に軸をもってくるのは本末転倒ではないかと思います。家はしょせん家でしかありません。

家を買うことで住宅ローンという35年の契約(権利と義務)をフィックスさせるんですが、この住宅ローンを最後まで完済するということまでFIXする必要は無いのです。

むしろ「場合によっては売却することで夫婦間合意」の方があるべき姿ではないでしょうかね。

そのためのポイントは2つです。

  • 売りたいときにスグ売れる物件にすること。
  • 売った代金で住宅ローンを完済できるようにすること(頭金を入れること)。

本当にシンプルな話なのですが、物件を売って住宅ローンを完済できればいいのです。そのために、購入する物件は「売りやすい物件」であることが第一に求められます。

そういう意味で、都心で築浅のタワーマンションはうってつけなのですよ。適切な価格で売りに出せば、ほぼ確実に3か月以内に売れます。

タワマンの中でも使いにくい間取りや、眺望が抜けていない、極端に狭いなどの理由から価格が少し抑えられた部屋に魅力を感じるかもしれませんが、そうした部屋はなかなか売れずに苦しむことになります。

納得できる価格差であり、手の届く範囲ならばより条件の良い部屋を選ぶことをお勧めします。

また、頭金はある程度(1割以上)は入れておくことをお勧めします。お金が無いから家を売りたいというケースが考えられますよね。そんなときに家を売却して、なおローンが残るというのは弱り目に祟り目、泣き面に蜂状態なんですよ。

頭金を入れることは、なんらかのアクシデントで収入が減ってしまって、家を維持できなくなった場合の保険になるのです。保険は保険会社が売る商品だけではありません。

回答③:共働き夫婦に特有のリスクを逆手に取る方法

ここまで読んで、リスクばかりが多くて気が休まらない…なんて思う人も居ると思います。そのリスクに対するコストを自分たちだけで負うのではなく、金融機関にも負わせることが出来るとしたら?いわゆる発想の転換です。

夫婦二人分で団信保険に加入すれば、夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合に住宅ローンがゼロ円になるのです。

これは連生団体信用生命保険というもので、多くの場合金利に0.18%上乗せで加入できます。例えばフラット35Sであれば以下のようになります。(なお、フラット35の融資額は8000万円が上限ですので、実際にはあと500万円頭金を入れる必要があります。)

(単位:円)

物件9380万
借入8500万
フラット35S1.04%1.29% フラット35S連生団信+0.18% 差額
毎月返済 241,530 248,756 -7,226
6年目~毎月返済 250,231 257,630 -7,399
60歳残高 11,700,371 12,002,565 -302,194

毎月の返済額では約7千円増えるだけですね。それで夫婦のどちらかにもしものことがあったら最大8000万円の住宅ローンがゼロ円になるのです。

さらに、フラット35の団信は身体障害保障団信です。これは障害者手帳1級又は2級が交付されても住宅ローンがゼロ円になります。

具体的には、糖尿病で人工透析が必要になったら2級の障害者手帳が交付されますので、住宅ローンがゼロ円になります。このような比較的軽微なものであっても「障害者手帳が交付された」という明確な基準で保険が下りるのでとても頼りになりますよね。

これに夫婦2人で加入したとして追加でかかるのはたったの7千円ですから、払われる保険金に対してかかる毎月のコストは激安といっていいと思います。

なお、フラット35でしたら、やはりアルヒがおススメですね。フラット35の取り扱い件数第一位の最大手です。

アルヒ(ARUHI)は本審査のスピードが早いことで有名です。仮審査は当日、本審査も最短3営業日という革命的な早さです。

アルヒは全国175の店舗があり、対面で相談できるのが魅力でこれも早さの秘密です。こちら私の体験記です。

多くの人がWebでも問題なく住宅ローンを借りられているという事実はあります。どうしても対面でなければ不安だというような事情が無い限りは、出来るだけネットでの申し込みにトライすべきです。

まずはネットで申し込み☟

なお、アルヒにはスーパーフラットという、頭金と返済負担率の条件を満たすことで、フラット35の金利から0.1%又は0.05%引き下げになる独自商品があります。

通常ならおススメしたいところですが、その団信は身体障害保障がつかないうえに夫婦2人で加入する場合は金利に0.28%上乗せとなってしまいます。今回の共働き夫婦のケースではおススメしません。

以上、参考になれば幸いです。

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