新婚共働き世帯年収1500万以上で家を買うの妻の心構え

共働きで家を買う人が増えています。特に最近は女性の収入が増えていますので、夫婦の収入を合算すると1500万くらいになるケースも多いです。

しかし、単純にこの年収だけで住宅ローンを借りると危ないんですよね。千日のブログではどういうリスクがあるのか、一般的なことを一通り書いていますので、こちらも良かったら読んでください。

マイホームの購入は、夫婦が協力してやることです。たとえ、共働きでなかったとしても、夫婦で相談して決めますよね。

しかし、住宅ローンという借金は夫婦で借りるものではなくて、個人として借りるものです。

  • 住宅ローン利用者の感覚としては、夫婦共同のミッション。
  • 法律的な実態は、(主に)夫が金融機関からお金を借りる契約。

こういう捻じれがあるのです。今日は新婚で共働きの奥様からのご相談です。特に妻の視点でどういう心構えが必要かというアドバイスを行いたいと思います。

共働き夫婦の住宅ローン

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相談:新婚で2年後完成のタワマンを購入しますが大丈夫でしょうか?

家族の年齢と年収夫  年収1100万 39歳  妻  年収420万   34歳 子供は2人欲しいので産休育休取得予定です。
最近結婚したので、夫婦での貯金がありません。
独身時代の貯金は各々のものとして使わないでおこうと思っています。
自己資金の額300万(手数料関係支払い予定)
物件価格約6300万(管理費等17000円。先々40000円がMAX予想)
物件のタイプ新築タワーマンション(2021年完成予定)
借入予定額6300万円
住宅ローン35年変動金利で検討中
相談内容この年齢から35年ローンで大丈夫か
変動金利で問題ないのか
妻が働けなくなった時でも返せるものか

回答:離婚の可能性も含め、シビアな判断が必要

新婚で住宅ローンを組む場合に想定しておくべきことが、早い段階での離婚です。厚生労働省の統計によると、毎年の婚姻件数の3分の1の離婚件数があるそうです。

そして、特に2年目は離婚件数の最も多い期間でもあるのです。詳しくはこちらをどうぞ。ご相談者が離婚の可能性が高いと言ってるのではなく、あくまで一般的にということです。

「独身時代の貯金は各々のものとして使わないでおこう。」

まだ夫婦としての期間が短いので、独身時代が軸足になっているんですよね。この意見が主に夫婦のどちらから出たものかは分からないですが、夫婦がそれぞれ相手が幾ら持っているのか100%把握できていないということでもあります。

主な相談の内容としては、以下の3つです。それぞれに妻の観点からどう考えるべきなのか?という回答をしていきますね。

夫は35年返済で大丈夫か?→35年も夫婦でいる保証は無い

夫が今後どれくらい収入を増やせるか不明ですが、さらに夫が現時点で幾らの貯金があるかも不明の状態です。

しかし、住宅ローンは35年の契約(もしくは完済)で確定するものです。

これに対して婚姻については「永遠」というのはあくまで建前であり、随時離婚というオプション付きの契約です。

なので、35年返済という感覚ではなく、2年後はどうか?ということと、もし途中で離婚した場合に、どうなるか?ということを先に考えるべきです。

離婚した場合の売却の可能性という点です。その点で、市内のタワマンというのは売却の可能性が高いと思います。

また、ご質問には無いですが、ペアローンや収入合算でということになると、夫婦でそれぞれ連帯保証人となることが条件です。もし離婚して、マンションを出て行った場合にも、その住宅ローンの返済義務を負い続けることとなります。

夫単独で住宅ローンを借りることが出来るのであれば、単独にしておく方が良いでしょう。ペアローンにすれば妻の分の住宅ローン減税も受けられますが、微々たるものです。離婚後にまで連帯保証が残るデメリットの方が大きいです。

連帯保証は、自分の持分だけでなく住宅ローン全額の責任を負います。もし夫が無職になったら自分の収入で住宅ローンの返済を続ければいい、という感覚の人以外にはおススメしません。

変動金利で問題ないのか?→実行時点が2年後なので現時点で判断することではない

次は金利タイプです。変動金利で検討されていますが、住宅ローンの金利はその実行時点(住宅の引き渡し時点)で決まります。

そして、今回は2021年ですから2年後ですね。2年後にどのような金利タイプが良いのかというのは、現時点では分かりません。

おそらく、現在変動金利で考えておられるというのは、現時点の0.5%程度の金利を前提にシミュレーションされたからですね。しかし、もしかしたら、変動金利がかなり上がっている可能性もあります。

金利だけではありません。2年後の経済情勢によっては、ご主人や奥様の収入についても、どうなっているかは分かりません。

なので、金利タイプについては、現時点で何らかの判定を行うものではなく、手付金を入れて良いのか?という判断を行うべき状況です。

もしも、状況が大きく変わって、このマンションを買えなくなった場合は手付金は返ってきません。

その代わり、早くに手付を打つことによって、自分たちの希望の間取りや階層を手に入れることが出来ます。

現時点で検討すべきことは、ここまでです。

妻が働けなくなった場合でも返せるのか?→返せないかもしれない

原則的に住宅ローン実行時の金利やそのときの収入がある程度予測できないと判断できないことです。そして、それは2年後ですから、理論的には何とも言えません。

しかし、現時点の金利と年齢、収入から今回の住宅ローンの金額というものが…

  • 夫単独で完済可能なものなのか?
  • それとも、妻の協力が前提として必須のものなのか?

どっちなのかを解説しておきます。これくらいは、認識していないと契約できないですし、完成までの2年の間にやるべきこともあるからです。

私は著書やブログで4つのルールを推奨しています。

  1. 毎月の支払額は手取り月収の4割以下にする。
  2. 元利均等返済、ボーナス払い無し。
  3. シミュレーションは固定金利とする。
  4. 定年時のローン残高は1000万以下とする。

これを具体的に年齢と年収(月収)で表にすると次のようになります。

(単位:万円)

年収月収35歳40歳
4002026632440
6002532502860
7003037553248
9003542553680
10004047144103

ご主人の単独収入では4103万円が上記4つのルールの範囲内で返済できる金額となります。ここに奥様の分を足せば6300万円に足りるということになりますね。

ただし、奥様の分を足すということは、奥様も定年までフルタイムで働くことが前提となります。

では実際にシミュレーションしてみましょう。

  • 35年元利均等返済、ボーナス払い無し。
  • 固定金利は1.3%とし、変動金利は0.5%とする。
  • 定年(60歳)で完済する。

資金繰り面のシミュレーション

(単位:円)

物件6300万
借入6300万
固定金利1.3% 変動金利0.5% 差額
毎月返済 186,783 163,538 23,245
10年後残高 47,818,784 46,110,168 1,708,616
60歳残高 28,675,678 26,529,697 2,145,981

ご主人の手取りで毎月の返済は可能ですが、定年時の残高が大きいですね。

例えば、ご主人が60歳の残高を既に独身時代に貯蓄として貯めている、などであれば、感覚的にそれほどしんどい住宅ローンではないでしょう。

しかし、それが無い場合はこれから60歳までにこの繰上げ返済分は貯蓄していかなければ完済は難しいのですね。これに加えてお子さんが生まれれば、その学費も必要となってきます。

ちょうど大学入試の時期に60歳定年というタイミングになります。

もし、ご主人に相談を頂いたとしたら「独身時代の貯蓄は各々のものとして」というような、余裕の体勢で完済できる金額ではないですよとアドバイスするでしょう。

もし、その貯蓄が無いのであれば、それを奥様に開示して了解の上で物件を買わなければならないです。それがイヤならば、今後の自分の収入を1500万(現在の夫婦合算)に増やす必要があります。

もし、独身時代の貯金として2500万くらいあるとしても、これを自分の趣味や家族のレジャーで費消してしまうと、結局完済できなくなってしまいます。

総支払額のシミュレーション

(単位:円)

物件6300万
借入6300万
固定金利1.3% 変動金利0.5% 差額
借入費用 1,569,000 1,569,000 0
60歳まで返済額 47,069,316 41,211,576 5,857,740
60歳残高 28,675,678 26,529,697 2,145,981
住宅ローン控除 -5,200,000 -5,200,000 0
合計 72,113,994 64,110,273 8,003,721

変動金利と固定金利の差は8百万円です。ただ、変動金利は上がる可能性があるので、8百万というのはそのリスクに対する保険料のようなものです。

通常の住宅ローンのシミュレーションでは、これを払うべきか?という検討を行うのですが、今回のケースでは2年後に実行なので、この前提自体が2年で陳腐化してしまいます。なのであえてこれは行いません。

まとめ~無料相談再開します

2か月ぶりの更新となりました。会計事務所の繁忙期が終わりましたので、無料相談の受付を再開します。この直後からメールフォームを開けますので、ぜひご相談ください。

とはいえ、メールが集中しますと、再びメールフォームを閉じることがあります。もし、今回間に合わなかった方は、こちらの千日太郎ニュースレターで開始をお知らせしますので、ご登録くださいね。

また、8月からは、三井不動産リアルティ㈱とのコラボ企画で住宅ローンの無料セミナーを行います。

もれなく千日太郎の著書をプレゼントし、ご希望される方にはセミナー後に個別相談も行います。

これは三井不動産リアルティ㈱が会場をセッティングし、来られた方に書籍をプレゼントする。千日太郎はそこでタダで話をするというコラボ企画です。

今のところ関西限定の試みで、反響が良ければ全国的に展開していきたいと思います。千日のブログで申し込み方法をご案内していますので、よかったらお越しください。

以上、参考になれば幸いです。