10年前に変動金利で借りた人は固定金利に借り換えるべき?

今から10年前に変動金利で住宅ローンを借りた人は、結果として金利が上がらずに安い金利で住宅ローンを借りることが出来ている人ですね。

結果論ではありますが、10年前に変動金利を選択したのは正解だったということです。

ただし、10年前の変動金利は1%前後です。2019年に新規借入するなら0.5%前後で借りられるのですから、ちょっと高めな印象です。

だったら、借り換えた方が良いのか?ということになりますよね。選択肢は2つです。

  • 変動金利から変動金利への借り換え
  • 変動金利から固定金利への借り換え

前者は引き続き金利変動リスクを負い続けるということです。なので借り換えメリットがあれば借り換えるということになるんですけど、もともと低い金利からさらに低い金利に乗り換えるということで、そんなに大きな金額のインパクトは期待できません。

後者は、借り換えることで金利変動リスクから解放されます。さらに、20年固定などの中期間の固定金利が今は下がっているので、人によってはわずかに借り換えメリットが出ることがあるのです!

では今日のご相談者です。

変動から固定に借り換える考え方

広告

質問:借り換えメリットが無いのですが20年固定金利へ借り換えるべきですか?

はじめまして、いつも勉強になる投稿ありがとうございます。

昨今の長期低金利で借り換えを検討しており、相談させていただきたいと思います。私の場合は決してレアケースではなく多くの人が陥る状況下と思い相談させていただきます。

年齢と年収現在の40歳で年収は税込み420万ほどです(零細企業勤務)。妻も働いており詳しくは分かりませんが(笑)280万ほどかと思います。家族は9歳と7歳の子供がいます。
物件のタイプ不詳
当初借入日と借入年数2009年3月から35年(残り23年6か月)
当初借入額2850万円
現在の住宅ローンの銀行、金利タイプ、金利  りそな変動金利0.925%(保証料0.2%上乗せ後)
現在の借入残高 1950万円
検討中の住宅ローン現在家計は回っているかと思いますが、将来的に教育費の増加、年収のupが見込まれないのと退職金のめどが無いため団信有りの固定金利に借り替えようかと検討しています(変動が上がると厳しいため)。
相談ただ、じぶん銀行20年固定やフラット35(保証型)にしても総支払額の増額は免れません。
中の下程度の家庭で高い変動金利を借りているローン債務者は、どのように動く準備をしておけばよいのでしょうか?

借り換え手数料の分を繰り上げ返済や、生活費に回したほうが良いのではなど考えるとなかなか答えが出せません。

もちろん早い段階で変動に借り替えておけばと後悔しておりますが、ブログにもあった【金利予想】変動金利が上がるXデーは銀行の営業戦略から2023年~2028年が濃厚-千日のブログに賛同しているので、現状で変動から変動に借り換えは考えておりません(異論は受け入れます)。

回答①:変動から固定へ借り換えなら総支払額が増えても借り換える意味はある

まず、今の変動金利から固定金利に借り換えることで、総支払額が増えてしまうことについては、それが当たり前という感覚なんですよね。

なぜならば、変動金利は金利変動リスクを負っている状態であり、固定金利になればそのリスクから解放されるからです。つまり、固定金利に借り換えるということの経済的な実態は、金利上昇保険に加入して今後はその保険料を払うということだからです。

つまり、増加する支払額がその保険料として割高なのか?割安なのか?というのが本来の悩みどころなのです。

そして、現在は固定金利が下がっていて、住宅ローンにおいては、特に20年固定が下がる傾向にあるので20年固定を軸に借り換え先を探すのが良いです。

さらに、ネット銀行などでは団信の疾病保障が金利上乗せ無しで付いてくるところが多いです。そうなると、金利変動リスク保険+疾病保障を買うということが借り換えの効果になります。

40歳からということですと、定年の60歳まではちょうど20年です。さらに今後徐々に病気のリスクが高まってきます。私は40代の後半ですが、急激に耐力の衰えを自覚してますからね。

そうした意味でじぶん銀行の20年固定を検討されたのは、良い選択かと思います。20年固定が最低金利でガン50%保障と全疾病保障が付きますからね。

それから、最近ですと新生銀行の20年固定もかなりの低金利です。さらに融資手数料が定額5万円(税別)という安さなので、借り換えにかかる費用をかなり抑えることができます。加えて金利上乗せなしの団信では死亡と高度障害に加えて所定の要介護状態が180日以上継続した場合に住宅ローンがゼロ円になるので一般の団信よりも手厚いです。

じぶん銀行の20年固定0.841%(2019年9月金利)と新生銀行20年固定0.9(2019年9月金利)に借り換えるというパターンでこのメリットを見ていきたいと思います。

資金繰り面の比較シミュレーション

(単位:円)

残り23.5年1950万円 りそな変動金利0.925%で23.5年 新生銀行20年固定0.9%で23年 じぶん銀行20年固定0.841%で23年
毎月返済 76,963 78,243 77,730
団信 死亡と高度障害 死亡と高度障害と要介護180日 死亡と高度障害とガン50%と全疾病180日

当初借入は2850万円で35年元利均等返済ボーナス払い無しですが、その後に繰上げ返済(返済期間短縮型)したことで現時点の残高は1950万円で残期間は23年6か月となっているとのことです。

借り換える場合には、新たな金融機関での借入期間は年単位で従前の残期間以下となります。なので残期間が23年6か月ならば、借り換え後の期間は23年に短縮されてしまいます。

そのため、金利としては安い金利になったとしても、毎月の返済額は大きくなってしまうことがあります。今回がその例ですね。

ただし、毎月の返済額が増えるといっても2千円くらいなので、家計に影響は無いでしょう。

つまり、毎月の返済額(資金繰り)の面では今の変動金利と大して変らない増額で金利の変動リスクを無くすことが出来るということです。

さらに団信の保障では新生銀行は180日の要介護で住宅ローンがゼロ円になる保障が付いてきます。じぶん銀行はガンと診断された時点で住宅ローンが半分になる保障と、全疾病で180日以上入院すると住宅ローンがゼロ円になる保障が付いてきます。

毎月の返済額だけで見るとじぶん銀行が一番おトクなように見えますね。しかし借り換えにかかる費用が違ってくるのがミソです。

借り換え費用の比較シミュレーション

(単位:円)

残り23.5年1950万円 変動金利0.925%で23.5年 新生銀行20年固定0.9%で23年 じぶん銀行20年固定0.841%で23年
印紙 0 20,000 20,000
登録免許税 0 78,000 78,000
事務手数料 0 55,000 429,000
司法書士報酬 0 60,000 60,000
全額繰上げ返済手数料 0 11,000 11,000
合計 0 224,000 598,000

 

差が出るのは融資事務手数料のところです。新生銀行は最も安いコースで定額で5.5万円(税込み)ですが、じぶん銀行は融資金額の2.2%(税込み)が手数料として必要になります。

なお、どちらの銀行もこれらの費用込みで融資してもらうことも可能です。

借り換え後の総支払額の比較シミュレーション

(単位:円)

残り23.5年1950万円 変動金利0.925%で23.5年 新生銀行20年固定0.9%で23年 じぶん銀行20年固定0.841%で23年
借り換え費用 0 224,000 598,000
返済額 18,471,120 18,778,320 18,655,200
20年後残高 3,179,483 2,778,040 2,762,324
合計 21,650,603 21,780,360 22,015,524
借り換えメリット 0 -129,757 -364,921

定年になる20年後にそのときの残高を全額繰り上げ返済するという前提にしています。

借り換え後の総支払額を比較すると、借り換えメリットがマイナスになっていますね。つまり、20年固定金利に借り換えることで支払額がそれだけ増えるということです。

しかし、前述のようにこれは金利を固定する保険料に加えて団信の保障がさらに厚くなる分に相当する保険料なのです。

そう考えるとだいぶ安いんですよね。新生銀行12万円は月平均するとワンコインの500円です。じぶん銀行の36万円は1500円です。

長期金利が下がっていて、低金利の固定に借り換えられるチャンスですので、この安さにメリットがあると思います。

回答②:変動から固定への借り換えで確実に借り換えメリット出す2つの方法

とは言っても、借り換えにはそれなりに面倒が伴います。かつて住宅ローンを借りたときに銀行に行っていろいろやったアレをもう一度やらなければなりません。平日の昼間に仕事を抜けて銀行にいかなければならないのです。

ならば、総支払額の上でもできれば少なくなって欲しいと思う人もいるでしょう。なんと贅沢な、と思うのですが方法が無いわけでもないです。

前倒しで繰上げ返済するor10年固定金利にする

さきほどのシミュレーションは定年になる20年後に全額繰り上げ返済するという共通の前提を取りました。

ならば、より早く全額繰上げ返済することで、利息の負担を減す余地が残っているのです。

借り換え後の総支払額の比較シミュレーション

(単位:円)

残り23.5年1950万円 変動金利0.925%で23.5年 新生銀行20年固定0.9%で17年後完済 じぶん銀行10年固定0.59%で10年後完済
借り換え費用 0 224,000 598,000
返済額 18,471,120 15,961,572 9,068,640
完済時の残高 3,179,483 5,482,104 11,345,720
合計 21,650,603 21,667,676 21,012,360
借り換えメリット 0 -17,073 638,243

今回の新生銀行20年固定に借り換えるケースであれば、3年前出しにして17年後に全額繰り上げ返済すれば、借り換えしない変動金利とほぼ同じになります。

3年程度の前倒しならば、現実的かなと思います。ただ、無理に前倒しにする必要もないかなと思います。

じぶん銀行20年固定のケースはこの前倒し方式では厳しくて、10年位で繰上げ返済しなければトントンになりません。ならば10年固定にして10年後に繰上げ返済すればいいですね。

10年後の残高は11百万円となりますので、今の時点である程度の貯金が貯まっている人ならば、10年後の繰上げ返済を計画しても良いでしょう。

ただ、ご相談者の場合は二人のお子さんが7歳と9歳ですので10年後は大学入学が重なります。多額の支出が見込まれるタイミングですので、あえて10年固定を選ぶ合理性は無いでしょうね。

まとめ~もともと固定金利が低金利なのでメリットに拘らない方が良い

最後に借り換えメリットを出すための2つの方法をご紹介しました。結構な金額を前倒しで繰上げ返済しないと借り換え費用の差は取り返せないのです。

これはどういうことかというと、そもそもの固定金利もまた低金利だということなんですよね。

ただでさえ少ない利息を節約するために多くの元本を繰上げ返済するということになりますので、あまり割に合わないのです。

だったらあえて借りておいて、他の支出に備える方がおトクです。金利を固定しておけば、上がる心配をしなくていいので安全度が上がります。

残り20年超で10万円~30万円の支払い増で済むのなら、借り換えは経済的に合理的な決断だと思いますよ。

以上、参考になれば幸いです。

40代住宅ローン借り換えランキングを見る

年収400万円台の相談事例とシミュレーションを見る

共働き世帯年収600~800万円の相談事例とシミュレーションを見る