都心タワマン64平米2LDKで家族4人はキツい?

マンションの間取りで最も売れているのは、70平米台の3LDKです。リビングダイニングに加えて3つの小部屋があり、4人家族のファミリー向けにちょうど良いのですね。

しかし都心部で利便性の高いタワマンで3LDKとなると、それだけで1憶の大台に乗ってしまうのです。

そこで60平米台の2LDKならば、手がとどきそうなのですが、それでも8千万前後します。家族で都心タワマンに住むというのは、ホント難しいんですよね。

今日はそんなご相談者です。

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相談:3人家族で都心タワマン2LDKを検討中、しかし今後もう一人子どもが欲しい

はじめまして、現在中古マンションの購入を検討しています。検討物件を購入するべきかどうか、千日さんのご意見をいただければ幸いです。

一度、不動産経由でFPの方を紹介していただき、キャッシュ・フローを計算していただいたのですが、35年ローンで問題なく返済可能。(住信SBIネット銀行、変動金利0.47%の計算です。)このまま賃貸で生活する場合と比較した場合、老後の生活も安心できるという結果でした。

また、このまま契約を勧めた場合、物件の引渡し日は3,4ヶ月後になるかと思います。

家族の年齢と年収夫(30歳)年収900万円, 妻(35歳)年収800万円で生まれたばかりの子どもが1人おり(来年4月から保育園に入園予定)、将来的 (3年後を想定)にはもう1人くらい子どもが欲しいと考えています。
現在は19.5万円の賃貸に住んでいます。
自己資金の額100万円
物件価格7980万円
物件のタイプ購入物件は都心、山の手線沿いの駅近、築10年のいわゆるタワマン物件になります。64平米の2LDKです。
借入予定額7880万円
住宅ローン住信SBIネット銀行 ネット専用住宅ローン変動金利。住宅ローン控除を考慮し、ペアローンで4000万ずつの予定です。
相談内容子どもの教育や夫婦の通勤などを考えると、検討物件は最適ではあるのですが、今後もう1人子どもが生まれたときに2LDKの広さに不安があります。
また、仲介業者からは子供ができたときに買い替えや賃貸に出すことを提案されていますが、購入費用(550万円)や管理費修繕積立金の高さ(月3万円強)を考えると躊躇します。
現状選択肢としては、
1. 検討物件を購入し、今後子どもができた際に買い替えを検討、もしくは家族4人で住み続ける。
2. このまま賃貸を続け、もう一人子どもができるであろう3年後に購入を再検討する。
3. 検討地域を広げ多少不便ではあるが、同価格帯で3LDKの物件を探す。
だと思っているのですが、夫婦ともに通勤に時間をかけるのが苦手なため3の選択肢は外したいと考えています。

回答①:自分が欲しい家と自分が買える家がマッチしているか?

マイホームの購入はタイミングが重要です。そしてこの「タイミング」には二つの種類があると考えています。

  • 経済情勢のタイミング
  • 自分のタイミング

こういうことは、その時々の時代や環境によっても違ってきます。なので、教科書的なマニュアルの存在しない分野です。

当然のことながら、安い時に買って高い時に売れば儲かります。これは自分の都合とは関係の無いところで決まる「経済情勢のタイミング」です。ただし、マイホームは売買で利益を出すことを目的に購入するものでは無いので、これはサブの位置づけです。

メインは「自分のタイミング」です。それは自分の欲しい家やマンションの値段と購入できる価格がバランスするタイミングです。家は人生の入れ物であり、人生は一度きりです。欲しくない家を買える値段だからといって買うのは愚かですし、明らかに身の丈を超えた価格の家を欲しいからといって買うのも愚かです。

  • 自分の欲しい家とは?
  • 自分には幾らの家が買えるのか?

この二つを改めて自分に問いかけるタイミングだと思います。

回答②:本当に自分が欲しい家なのか?を自問する

家を買うのは自分であってこれから生まれてくる子どもではないのですから、まずは自分にとって欲しい家なのか?ということが第一です。

  • 自分にとって重要なことは何か?
  • それによってどれだけ価格が変わるのか?

今は3人家族ですから2LDKで必要十分ですが、4人になると手狭になります。では3LDKにすると幾ら価格が上がるのか?その価格を払うだけの価値があるのか?ということですね。

千日は、物件ごとに価格に反映する項目を横串で比較できる一覧表を作ることをお勧めしています。こんな図です。

物件名 SSマンション KKマンション
地域 S市 K市
最寄り駅 〇〇駅
快速停車駅
△△駅
始発駅で座れる
駅徒歩時間(実測) 5分 13分
職場までの時間 35分 93分
駅までの道 平坦、歩道橋あり 帰り上り坂
学区 〇〇小学校区
〇〇中学校区
△△小学校区
△△中学校区
自治体の育児支援策 なし 子育て補助金
間取り 2LDK 3LDK
専有面積 50平米 71平米
内法面積 48平米 66平米
その他面積(バルコニー) 5平米 15平米(ルーフバルコニー)
階数 18階 3階
向き 南西
竣工年度(築年数) 新築 2002年(15年)
価格 4000万円 3000万円
管理費(マンション) 15000円 10000円
修繕積立金(マンション) 8000円 4000円
駐車場(マンション) 敷地内立体20000円 敷地内平面8000円
状態(空き、居住) 空き 居住中
その他特記事項 住宅ローン控除受けられない 消防署の前
物件のサイトURL    
販売業者or仲介業者    
施工業者    
調査日時 未調査 年月日時
天候   晴れ
良かった点    
悪かった点    
評価ABCD    

エクセルソフトがあると便利です。初めに枠だけ作っておいて、自分の拘りの要素などを追加していっても良いです。2LDKのマンションと3LDKのマンションで平米あたりの単価を比較しても良いでしょう。

ちなみに、間取りだけなら2LDKに4人問題なく住めます。

子ども一人に一つの個室を与えなければならないルールはありません子どもにとっては幼いとき(生まれたとき)からそうであればそれが普通です。2段ベッドの上と下で寝ればいいです。子どものプライバシーはトイレと風呂にあれば良いというルールにすれば問題はありません。

そして、勉強はリビングダイニングでやればいいのです。私は一応自分の机がありましたが、自分の机があれば集中して勉強できるかというと、そうでもありませんでした。わざわざカフェやファミレスで勉強したりしてましたね。

また、マンションによっては自習室として使えるスペースがある物件もあります。部屋数の少なさを補えるような共用スペースがある物件を探してみるのも良いですね。

私が今作業しているのはマンションの自習室です。こんな感じです。家で仕事をしたいときは、ここで十分なので自宅に書斎やデスクは不要です。

また3LDKの間取りは子どもが独立した後、夫婦二人になったときに使わない部屋を持て余してしまう(もと子ども部屋が物置になってしまう)というデメリットもあります。物置のために1~2千万も多めに払いますか?ということになります。

間取りの面だけで考えると、4人家族になったら絶対に3LDKでないとダメということはないと思います。ただ、これは人によって考え方の違う部分ですし、床面積の面で手狭に感じる人も居ると思います。

こうした観点から再度、自分にとって欲しい家なのかどうか?を問いなおすことをオススメします。

回答③:夫婦共働きで幾らの家が買えるのか?計算する

自分が欲しい家を自問した結果、やはり「3LDKでなければ買うに値しない」ないし「この位の上乗せであれば買う方が満足度が高い」という結論になることもあるでしょう。

そうすると、次は幾らまでなら無理なく買えるのか?という問題が出てきます。言い換えれば、幾らまでなら住宅ローンを借りてもいいのか?ですね。

私の家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本ではそれを具体的な住宅ローンのシミュレーションの4つのルールとして落とし込んでいます。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 定年時のローン残高は1000万円以下

まず手取り月収の4割は幾らになるのか?見てみましょう。年収のうちボーナスにどれだけ振り分けられているか分かりませんが、夏冬あわせて4か月と仮定しました。あくまでザックリとした推定値です。

(単位:万円)

  額面年収 手取り月収 4割
900 35 14
800 30 12
夫婦計 1700 65 26

単純に夫婦計の4割を使うことはしません。妊娠期間中は休職しますし、出産には生命のリスクを伴います。また予定通りに復帰できるという保証もありません。

最も保守的な数字は夫単独の収入の4割で14万円です。そして最もリスクを取る数字が夫婦合算の4割で26万円です。両者の中間値は20万円ですが、今現在の家賃が19.5万円ということですから、納得のいく数字になっているのではないでしょうか。

(単位:円)

タイプ内容毎月返済額
リスク回避型夫のみ140,000
ハイリスク型夫婦計260,000
中間型中間200,000

では次にこの毎月返済額(元利均等)で住宅ローンの金額がいくらになるのか?また、定年時の残高がいくらになるのか計算してみます。

FPさんは変動金利でシミュレーションされたとのことですが、私は今後金利が上がるリスクを織り込むことはできないので、固定金利でのシミュレーションを推奨しています。

今回のシミュレーションに使う固定金利は2020年の住信SBIネット銀行フラット35(保証型)の予想金利1.1%を使います。詳しくは千日のブログをどうぞ。

【金利予想】2020年の住宅ローンフラット35の金利は保証型1.1%買取型1.2%で推移するでしょう-千日のブログ

(単位:円)

固定金利1.1% リスク回避型 中間型 ハイリスク型
借入金額 48,780,000 69,690,000 90,600,000
毎月返済額 139,984 199,989 259,995
30年後残高 8,168,602 11,670,149 15,171,697

リスク回避型の借入額は4878万円です。検討中のマンション価格に遠く及びません。ただ、毎月の返済額はかなりゆとりがありますし、定年時の残高も安全圏です。

中間型の借入額は6969万円ですから、かなり検討中のマンションに近づきますね。1割~2割の頭金を入れて購入するのが典型的なパターンです。今回の自己資金は100万ということですが、もし温存している金融資産や親の援助などが見込めるならばこの位にしておくのがベターかと思います。

そして、あまりお勧めはしませんがハイリスク型の借入額は9060万円です。買うならば3LDKだとしても、1億にまでなるとちょっと怖いなという感覚は正しいですね。

逆に9060万円くらいまでならば、リスクは高いものの、不可能な金額ではないということです。目安として参考にしてください。

シミュレーション利用上の注意点とまとめ

今回のシミュレーションに利用した住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)は35年固定金利の最低金利であり、さらに全疾病保障の団信が金利上乗せなしで付帯します。

しかし、今回のご相談者のケースでは実際にこの金利で借りられるという事ではありませんフラット35の場合は1割の頭金を入れる必要があります。また借入の上限は8000万円です。

あくまで今回の金利は借入金額の目安を出すために利用しているものですので、注意してくださいね。実際に借入をするにはその条件を満たしている必要があります。

しかし、住信SBIネット銀行は変動金利では業界最低レベルの低金利である上に、35年固定金利のフラット35(保証型)では現時点でダントツの最低金利なので、良い銀行で検討されていると思います。

おそらく、ご相談者も利用されたと思うのですがネット銀行でありながら、SBIマネープラザというリアル店舗で相談できるのも魅力です。住宅ローンアドバイザーが相談者の資金計画を聞きながら、住宅ローン返済までのシミュレーションまでやってくれます。

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変動金利と固定金利の両方が業界最低金利で同時に検討できるのは魅力ですね。私はフラット35を選んだのですが、この無料相談を利用しました。

SBIマネープラザに住宅ローンの相談に行って審査を通すポイントを聞いてきた【口コミ情報】-千日のブログ

私はお金の専門家ですから、主に経済的な面からの助言を行いますが、全てが数字だけで割り切れるものでもありません。ただ、何かおかしい、何か不安だ、と感じるのであればそれは「立ち止まる」べき時だと思います。

この「決断をするのに必要な何か」が足りていないというシグナルです。

家が欲しい、家を買おうという決断そのものに迷いは有りますか?

  • 有るのならば、それは立ち止まって再度「自分にとって家を買うとは何か?」を問い直すときです。
  • 無いのならば、それは立ち止まって再度「決断するのに必要な情報に不足は無いか?」を再チェックするときです。

家を買うというのは人生最大のプロジェクトです。プロジェクトにおいては、イエローシグナルを感じたら一度立ち止まり、状況を判断し、これまでのやり方、これからの方針を再検討するのが基本です。

以上、参考になれば幸いです。

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