49歳独身80歳母と2人暮らし住宅ローンの金額と団信保障は?

2020年7月2日

独身アラフィフとなると、老後資金の心配があります。さらに親の年齢として介護費用の発生可能性が上がってくる時期でもあります。そして、もちろん自分自身の健康という点でも…若いころの無理が祟ったのか、人間ドックの数値も気になる年齢です。

今日はそんなアラフィフ独身女性からのご相談です。回答は千日太郎YouTubeチャンネルでも行っています。チャンネル登録と更新通知(すべて)を設定すれば最新の動画を見逃しません。

【無料相談】49歳独身女性、母と二人暮らしの住宅ローン借入額と団信は?|千日太郎YouTube動画

YouTubeでは主に質的な側面から回答しています。データの分析や量的な側面からの解説については、こちらのブログの記事を参照してください。

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相談者のデータ(年齢、年収、自己資金、物件価格、借入金額など)

家族の年齢と年収家族構成:母(80歳)、娘(49歳)定年は60歳ですが、65歳までは雇用延長できます。但し、60歳以降給与は7割になります。
年収:娘  490万円
自己資金の額不詳
物件価格2960万円(内訳   住宅:2440万円  解体、外構工事その他費用:520万円)
物件のタイプ注文住宅 物件引渡し: 7月下旬−8月中旬
借入予定額1200万円
住宅ローン住信ネット銀行(変動金利)で通しております。
相談内容同居する障害者手帳1級保有の母を扶養にしているため、私の2019年度の所得税は年間4万円弱、市民税は8万円弱なので、母を扶養している間はローン控除の恩恵は余り無さそうです。
私は独身で残す家族も居ないのですが50歳も近いですし病気は不安なのでがん保険(50%)が無料で付与されるじぶん銀行の変動金利や医療保険が充実している三菱UFJ銀行のネットローン(10年固定)辺りも良いかなと思っていますが、借入額も含めアドバイス頂ければ幸いです。

回答①:妥当な借入額の考え方

50代に近くなってくると、健康リスクが高くなってきますので、団信(団体信用生命保険)の重要性が如実に上がってきます。

生命保険は若い時に加入したら保険料は安く、年を取ってから入ると高いです。しかし団信は利息を通じて全ての利用者が一律に負担するので、相対的に安いコストで生命保険に加入できることになります。

この団信に加入できる年齢は80歳までですので、65歳を過ぎて高齢者となってもまだ15年は保険に入れるということですね。金利≒保険料と考えても割安ですので、住宅ローン控除の上限にかかわらず、高い住宅ローン残高としておくのも合理的です。

もしもの時のローン残高=保険金ですからね。コストが安いなら保険金は多くしておくという考え方です。

しかし、一方であまりに多く借りすぎるのも怖いです。そこで、私がブログや住宅ローンで「絶対に損したくない人」が読む本でお勧めしているのが、無理なく返済できる住宅ローンの4つのルールです。

  1. 毎月の返済は「手取り月収の4割以下でボーナス払いなし」
  2. 返済額が一定になる「元利均等返済方式」
  3. シミュレーションの金利は「固定金利」
  4. 定年時のローン残高は「1000万円以下」

それを、年齢と年収におおむね当てはめた表が以下のようになります。

(単位:万円)

年収月収45歳50歳
300万15万18151580
400万20万22551818
600万25万24701988
700万30万28702271
900万35万31302374
1000万40万35102713
1200万50万57984611

ご相談者の年収と年齢を当てはめると、おおむね1900万円くらいが無理なく返済できそうな金額ということになりますね。

これに対して今検討されている金額は1200万円ですから、かなり余裕をもった借入額ということです。

団信の保障ということを度外視し、無駄な借り入れはしたくないということであれば、住宅ローン控除があまり無駄にならない1200万円がほぼベストだと思います。

しかし、割安な団信保険を享受するなら、もう少し多く借りても良いと思います。妥当な借入額としては、1200万円と1900万の間くらいにあり、ご自身がどちらにウェートを置くかによっておのずと決まってくるのではないかと思います。

回答②:団信の保障の選び方

YouTubeの動画でも話しているのですが、住信SBIネット銀行の全疾病保障は独身向きではありません。団信の特約でついてくる保険の系統は2つに分類できます。

  • 就業不能を条件とした保険:全疾病保障が典型で、半年から1年の就業不能状態を条件に保険金を払う。
  • 医師の診断を条件とした保険:ガン保障が典型で、医師による正式な診断が下りた時点で保険金を払う。

前者の就業不能を条件とした保険について、お医者さんに聞くとほぼ社会復帰は難しいそうです。病院のベッドで意識のない状態が1年続いてやっと保険金が払われても、独身の本人にメリットはありません。

同じお金を払って加入する保険ならば、疾病の種類が限定されていたとしても診断が下りた時点で保険金が入る方が良いと思います。

回答③:住宅ローンのシミュレーション

そこですでに審査に通されている住信SBIネット銀行1200万円、変動0.415%に加え、以下の3つをシミュレーションします。

そして、借入額は1700万円に増やしてシミュレーションをおこないます。

  • auじぶん銀行変動金利0.457%:ガン50%保障が金利上乗せなしで付帯する。
  • アルヒスーパーフラット6S 0.79%→1.04%:頭金を4割入れるとフラット35の金利から0.2%引き下げになる。さらに建物の性能が「S」の基準をクリアすれば当初10年は0.25%引き下げになる。
  • 三菱UFJ銀行ネット専用住宅ローン3年固定0.39%+0.3%(3大疾病保障充実タイプ):ガン100%保障に加え、脳卒中、急性心筋梗塞で1日でも入院すると住宅ローンがゼロ円になる。

アルヒスーパーフラット6を入れたのは、4割の頭金を入れると借入額が1700万円となり、前述した妥当な借入額に近くなるからです。そして固定金利ながら、当初の10年or5年は0.79%(2020年3月)という業界最低金利です。

フラット35については機構団信が身体障害保障(障がい者手帳1級または2級の交付で住宅ローンがゼロ円になる)を行っていますが、アルヒスーパーフラットは一般の団信ですので注意してください。

三菱UFJ銀行についてはご相談者は10年固定を挙げておられましたが、比較のベースが変動金利なので、3年固定としました。

資金繰り面の比較

(単位:円)


物件2960万円
住信SBI変動
1200万円
0.415%
auじぶん銀行変動
1700万円
0.457%
アルヒスーパーフラット6S
1700万円
0.79%→1.04%
三菱UFJ3年固定
1700万円
0.39%→0.625%
+0.3%団信
頭金17,600,000 12,600,000 12,600,000 12,600,000
当初の毎月返済35,45750,54253,05452,291
その後毎月返済35,45750,54254,36053,919
60歳残高7,772,38011,035,44711,242,08811,269,938
65歳残高5,786,0148,223,5858,495,4388,493,359

住信SBIネット銀行と比較している3つは1700万の借り入れですが、収入に対してそれほどしんどいイメージは無いと思います。

また、60歳残高、65歳残高にしても頭金のうち500万を温存していることを鑑みれば余裕感があります。

借入費用の比較

借入費用では有意な差は生じませんので、内訳は割愛します。

総支払額の比較

(単位:円)


物件2960万円
住信SBI変動
1200万円
auじぶん銀行変動
1700万円
アルヒスーパーフラット6S
1700万円
三菱UFJ3年固定
1700万円

借入費用383,400498,400553,400427,370
頭金17,600,00012,600,00012,600,00012,600,000
16年返済額6,807,7449,704,06410,280,40010,293,840
65歳残高5,786,0148,223,5858,495,4388,493,359
住宅ローン減税-1,211,700 -1,510,200 -1,518,000 -1,482,400
合計29,365,458 29,515,849 30,411,238 30,332,169
差異0 150,391 1,045,780 966,711

住信SBIネット銀行とauじぶん銀行の差15万円には借入額の違いもありますが、保険金を増やすという面と、がん50%保障が付くという面があります。

ガンになったときの残高ということで65歳残高を見ればauじぶん銀行の方が15万円支払いが増えても、魅力的に見えると思います。

アルヒスーパーフラット6Sとの差は104万円です。これは金利を固定するための保険料という見方になるでしょう。そもそもcashでも購入できると書かれているので、これはそれほど魅力ではないかもしれませんね。

三菱UFJ3年固定との差は96万円です。これはガン100%保障に加えて脳卒中と急性心筋梗塞ですから、auじぶん銀行よりもグレードアップしています。医療関係者に利用者が多いですので、これも悪くないと思います。

auじぶん銀行と三菱UFJ銀行の両方で仮審査を通しておき、直前までの金利動向やキャンペーン情報を見て決めることをお勧めします。

以上、参考になれば幸いです。

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